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低身長の検査と治療と費用


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低身長の治療や検査にかかる費用

低身長の治療は、健康保険が適用される場合であっても多額の費用がかかります。

ましてや病気とはみなされず、保険の適用外となる家族性低身長や特発性低身長の治療は相当な出費になります。

残念ながら「こどもの身長を伸ばしたい」という気持ちだけでは、この問題は解決できません。治療を開始するにあたっては、親がこうした現実をまず把握する必要があります。

「治療法がある」と不用意にこどもに伝えると、こどもたちに過大な期待を与えて、結果的にそれを裏切る恐れもあります。保護者の皆さんは、低身長を治療するためにはどの程度の
費用がかかるのかを事前にまず把握しておく必要があります。

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スクリーニング検査

最初に重要なのが、こどもたちの低身長の原因が、健康保険の適用対象となる病気によるものなのかどうかを知ることです。

「低身長専門外来での治療について」で紹介したようにそのためにはさまざまな検査が必要です。

低身長の初診時のスクリーニング検査として、血算、血液生化学(Ca、P含む)、甲状腺機能(FT4、FT3、TSH、血中IGF-I(ソマトメジンC)、LH、FSH、性ホルモン(思春期にはいっているとき)、尿一般検査および左手のレントゲンによる骨年齢検査が行われます。

これらの費用は、初診料を加えて、それぞれ約1万8000~2万6000円ですので、健康保険3割負担で約5300~7700円になります。

成長ホルモン分泌刺激試験

成長ホルモン分泌刺激試験は、検査だけで1万2000円ですので、それに使う薬の値段と再診料が加わって、健康保険3割負担で1回4500~7000円ぐらいの費用がかかります。

健康保険では月に2回までの検査が認められています。

次に、低身長の主な治療法にかかる費用について説明します。

成長ホルモン治療

「成長ホルモン注射の費用と新しい治療法」で説明したように、成長ホルモンは日本が世界で一番高く、1mgが約1万円します。したがって約20㎏のこどもの治療量を、0.175mg/kg/週で計算すると、週に3.5mgですから、30日で15mg、成長ホルモンの薬代だけで約15万円かかっているわけです。

それに、在宅自己注射指導管理料、注射器用注射針加算、再診料などが加わると、健康保険の3割負担でも約5万円かかります。体重が増えれば成長ホルモンの投与量もそれに伴って増えますので、もっと負担は重くなります。

SGA性低身長症は、後述の小児慢性特定疾患に含まれていませんので、保険診療の対象になります。治療量は、最初は0.23mg/kg/週と成長ホルモン分泌不全性低身長症より多いので、その分薬代が高くなります。

したがって、約20㎏のこどもの場合、健康保険3割負担で1ヵ月に約6万3000円になります。治療量は0.47mg/kg/週まで増量される場合もありますので、かなりの負担になり、高額療養費制度(後述)を使うことが多くなると思います。

ターナー症候群や軟骨無形成症は0.35mg/kg/週と治療量が多いのですが、ほとんどは後述の小児慢性特定疾患治療研究事業の助成基準にあてはまりますので、自己負担額は少なくて済みます。

性腺抑制療法

多くの低身長思春期発来児は、思春期早発症の診断基準にあてはまらないので、性腺抑制療法は自費診療になります。

治療量にもよりますが、月に1回の注射で4万~6万円ぐらいになりますので、検査やレントゲンなどを含めると平均して月に約5万~6万円かかります。

ポイント

低身長の治療には高額なホルモン製剤を利用するため、保険診療の対象であっても高額の費用がかかります。自費診療の場合は経済的な負担が大きくなります。

小児慢性特定疾患治療研究事業と対象となる病気

小児慢性特定疾患治療研究事業は、長期治療を必要とする小児疾患の医療費を助成する試みで、1974年に厚生省(当時)の研究事業として始められ、2005年の児童福祉法改正で制度化されました。

成長ホルモン治療が認められている疾患のうち、成長ホルモン分泌不全性低身長症やターナー症候群、軟骨無形成症・軟骨低形成症、プラダー・ウィリ症候群、小児慢性賢不全性低身長症は、小児慢性特定疾患に指定されています(これらの低賃長の原因についてはこちらをが参照ください)。

SGA性低身長症は、残念ながら指定されていません。小児慢性特定疾患に指定されている疾患は、一定の条件(認定基準)をみたしていれば、所定の手続きを行うことで医療費助成が受けられます。

性腺抑制療法も、思春期早発症の認定基準(女子で8歳未満、男子で9歳未満に思春期開始)を満たしていれば、小児慢性特定疾患の助成対象となります。

2005年からの制度では、所得に応じた自己負担額が決められています(下表参照)。

それ以上の費用は、保険と小児慢性特定疾患治療研究事業の助成金で負担されるわけです。年齢は18歳未満が対象ですが、引き続き治療が必要と認められた場合には、20歳到達まで延長できます。

成長ホルモン療法の対象となる認定基準とは

成長ホルモン分泌不全性低身長症の場合には、「低身長専門外来での治療について」であげた診断基準を満たすことがまず必要ですが、それ以外にも次の3つの要件を満たさなければなりません。

①身長SDスコアがマイナス2.5SD以下

 

②IGF-I(ソマトメジンC)値が200ng/ml未満(5歳未満の場合は150ng/ml未満)

 

③成長ホルモン分泌刺激試験(空腹下で行われた場合に隕る)のすべての結果で、成長ホルモンの最高値が6ng/ml以下

したがって、低身長の程度が強い(マイナス2.5SD以下)の重症と中等症の成長ホルモン分泌不全性低身長症が対象になります。

脳腫瘍などの器質的な原因による成長ホルモン分泌不全性低身長症の場合には、身長SDスコアがマイナス2SD以下、または年間の成長速度が2年以上にわたってマイナス1.5SD以下であればいいのですが、すべての成長ホルモン分泌刺激試験の最高値が3ng/ml以下、すなわち重症成長ホルモン分泌不全性低身長症でなければなりません。

ターナー症候群による低身長、プラダー・ウィリ症候群による低身長の場合には、身長SDスコアがマイナス2SD以下または年間の成長速度が2年以上にわたってマイナス1.5SD以下であれば認定されます。

また、軟骨無形成症・軟骨低形成症は身長SDスコアがマイナス3SD以下、慢性腎不全による低身長は身長SDスコアがマイナス2.5SD以下であれば認定条件を満たします。

ポイント

成長ホルモン分泌不全性低身長症やターナー症候群、軟骨無形成症・軟骨低形成症、プラダー・ウィリ症候群、小児慢性腎不全性低身長症は、小児慢性特定疾患に指定されており、所定の基準を満たせば成長ホルモン治療が助成対象となります。

小児慢性特定疾患医療費助成の各種手続き

申請の手続きのためには、申請書、内分泌疾患意見書(軟骨無形成症・軟骨低形成症の場合は、先天代謝疾患の意見書)、成長ホルモン治療の意見書(意見書は医師が記載します)、住民票、健康保険証のコピー、生計中心者の課税状況を確認できる書類が必要です。

書類をそろえて、住所地を管轄する保健所で保護者の方が申請手続きを行います。審査を経て1ヵ月後ぐらいに、小児慢性特定疾患の医療券(受診券)が届きますので、病院・クリニッ
クの窓口に提出してください。それにより、以後は自己負担限度額の支払いだけになります。

継続基準

小児慢性特定疾患の医療券の有効期限は原則1年ですので、有効期限が切れる前に毎年更新手続きをする必要があります。その時には、継続基準を満たすことが必要です。

成長ホルモン分泌不全性低身長症の場合は、初年度は年間成長速度が6.0cm以上、または初年度の年間成長速度と治療前1年間の成長速度との差が2.0cm以上あることが必要です。

治療2年目以降は、年間成長速度が3.0cm以上あることが必要となります。

ターナー症候群、プラダー・ウィリ症候群、軟骨無形成症・軟骨低形成症、小児慢性腎不全性低身長症は、初年度は年間成長速度が4.0cm以上、または初年度の年間成長速度と治療前1年間の成長速度との差が1.0cm以上あることが必要です。

また治療2年目は年間の成長速度が2.0cm以上、治療3年目以降は年間の成長速度が1.0cm以上あることが必要です。

終了基準

男子において156.4cm、女子において145.4cmに達すると、小児慢性特定疾患の助成を受けられなくなります。この値は、17歳6ヵ月の標準身長のマイナス2.5SDにあたります。

継続基準を満たさない時、終了基準に達した時には、小児慢性特定疾患の助成を受けられませんが、通常の保険による治療はできます。治療効果をみながら治療の継続を検討し、高額療養費制度を利用することもできます。

ポイント

小児慢性特定疾患医療費助成を申請する際には、申請書、担当医の内分泌疾患意見書(軟骨無形成症・軟骨低形成症の場合は、先天代謝疾患の意見書)と成長ホルモン治療の意見書などが必要になります。治療を継続するには一定の治療効果が必要で、一定の身長に達したら、小児慢性特定疾患としての治療は終了します。

高額療養費制度

1ヵ月間に支払う医療費が一定の金額を超えた場合、超えた分の医療費が約3ヵ月後に戻ってくる制度が、高額療養費制度です。自己負担限度額は、所得により異なります(下表参照)。

たとえば、所得区分が一般の人で、月の医療費(本人だけでなく同一世帯の医療費を合わせたもの)が40万円で、その3割の12万円を自己負担として支払った場合、自己負担限度額は以
下のようになります。

80,100 +〔(400,000 – 267,000)× 0.01〕= 81,430

したがって、高額療養費制度の適用を受けられれば、支払った12万円より8万1430円を差し引いた3万8570円か、約3ヵ月後に戻ってきます。

また、過去12ヵ月以内に上記の高額療養費制度の要件に3回該当している場合には、4回目以降は自己限度額が4万4400円になりますので、12万円支払っていたとしたら、7万5600円が約3ヵ月後に戻ってきます。

国民健康保険の場合は、市区町村の国民健康保険課で申請します。健康保険組合・共済組合の場合は、通常自動的に戻ってきますが、念のために払い戻しがされているかを確認しておくほうが良いでしょう。

政府管掌社会保険の場合は、保険証に記載されている社会保険事務所に申請します。この高額療養費制度は、保険診療にのみ適用されますので、保険外診療、自費診療には適用されません。

ポイント

高額療養費制度を利用すれば、1ヵ月間に支払う医療費が一定の金額を超えた場合、超えた分の医療費が約3ヵ月後に戻ってきます。ただし、高額療養費制度は、保険診療にのみ適用されるので、保険外診療、自費診療には適用されません。

 

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