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身長を伸ばすための「栄養・睡眠・運動」の常識と非常識


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子供の成長に影響する外的な要因

こどもの成長は、多くの要因が影響しています。主要な要因としては、出生時点でプログラムされている遺伝的要因や、ホルモン、代謝、神経系などの内的要因があり、これらが身長の伸びに強い影響を与えます。

外的要因としては栄養、感染、薬剤、情緒・精神的環境、運動、睡眠、文化・経済水準などがあります。

とりわけ影響を与える外的要因が薬物です。たとえばヨードを過剰に摂取すると甲状腺機能の低下をきたして成長率が下がることがわかっています。ステロイド剤の過剰投与も、成長を阻害します。

情緒的な外的要因も無視できません。母親に愛情がなく、こどもが大きな精神的ストレスを感じると成長にも悪影響を与えます。

このように外的要因と低身長とはきってもきれない関係があります。遺伝的要因を変えることはできませんが、こうした外的要因は改善可能です。

これらの外的要因のうち、栄養・睡眠・運動は成長に大きく影響します。

低栄養・不十分な睡眠時間・過激な運動が長期に続くと、成長率が落ちてしまいます。このような原因で低身長になっているこどもは、規則正しい食事、十分な睡眠と適度な運動をとることで、もとの身長の程度までキャッチアップできます。

しかし栄養や睡眠を改善したからといって、その子にとってもともとの適正な成長以上に背が伸びるわけではありません。

ポイント

栄養・睡眠・運動は、低身長になる外的要因の中でも大きな要素を占めます。しかし、それらをいくら改善しても、体質的要因によって決定されている適正な成長以上に伸ばすことはできません。

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外的要因で低身長になった男児の成長曲線

下の図は、外的要因で成長障害になった3歳の男児です。

もともと身長SDスコア(身長SDスコアについてはこちらをご覧ください)がマイナス2SD前後の低身長でしたが、―歳半ごろよりさらに成長率が低下して、3歳ごろにはマイナス4SD近くまでの著しい低身長になっていました。

扁桃腺肥大とアデノイド増殖症があり、親御さんの話では睡眠中のいびきと無呼吸、それに伴ってよく目を覚ましてしまう睡眠障害があるとのことでした。

扁桃腺とアデノイドを切除したら、無呼吸も睡眠障害もなくなり、身長もキャッチアップしました。しかし、もとのマイナス2SD前後まではキャッチアップしましたが、それ以上には大きくなっていません。外的要因を取り除いたからといって、平均身長まで身長が伸びるというわけではないのです。

すでに低身長になっている子でも、標準成長曲線にそって伸びている子は、内的要因、外的要因に大きな問題はないのです。そのような子は、栄養・睡眠・運動に気をつけても、身長SDスコアは改善しません。

ポイント

低身長になっているこどもでも、標準成長曲線にそって身長が伸びている場合は、栄養・睡眠・運動で平均身長からの遅れを回復することは難しいです。

無理強いして食事させても身長は伸びない

栄養が成長に大きな影響を及ぼすことは、肥満児の平均身長が高く、栄養失調のこどもの身長が低いことをみても明らかです。

低身長のこどものお母さんに聞いてみても、新生児の時からミルクの飲みが悪かった、離乳食を食べなかった、少食だったという話をよく聞きます。

こうした訴えからも、栄養の必要な乳幼児期に十分な栄養が摂れない場合、低身長になるケースは少なくありません。

ならばたくさん食べさせればよいではないか、と思われるかもしれません。しかしこのよう
な背景を持ち、3~4歳までに低身長になってしまっているこどもは、体質的にたくさん食べ
ることができないのだと推察されます。

こどもが好きなものを食べさせるなどの工夫は必要ですが、乳幼児期に多くの食事を強要することはできません。この時期にたくさん食べさせようとすると、ますます食べなくなってしまうこともあります。低身長児の少食傾向は、思春期にはいるまで認められます。

しかし4歳をすぎると、少食であってもホルモンの分泌量に特に問題がなければ成長率はあまり低下せず、標準成長曲線にそって成長していきます。

いくら少食といっても、標準成長曲線にそって成長している限りは、その子にとってはバランスがとれた栄養なのだと思います。

そのような子には、食事を強要して精神的負担を与えてはいけません。

ポイント

少食なこどもに無理に食べさせると精神的ストレスを与え、逆効果になるので避けましょう

カルシウムだけでは背は伸びない

よく「背を伸ばすのに、カルシウムを摂ればいいですか?」という質問がありますが、カルシウムには骨を強くする力はありますが、背を伸ばす力はありません。

背を伸ばすには、基本的にはタンパク質が重要です。しかしタンパク質だけを摂ることは不可能ですし、他の炭水化物や脂質もないとからだ全体の代謝がうまくいきません。

全体としてのカロリー不足は、成長障害に結びつきます。ほとんどの炭水化物は血中でブドウ糖として代謝されますが、血糖が高くなると成長ホルモンの分泌が抑制されることが知られています。ですから、特に寝る前に甘いものをたくさん食べるのは控えたほうがよいと思います。

また「牛乳を飲むと、背が伸びますか?」という質問もよく聞きます。前述しているように、背を伸ばす栄養素はタンパク質です。牛乳はカルシウム源としては理想的な飲料ですが、タンパク源としては不十分です。

戦後の低栄養の時期には、脱脂粉乳でも成長障害を予防することができたので、いまだに牛乳神話が残っているようですが、栄養が十分な今の時代では、牛乳を飲むだけで背を伸ばすことはできません。

ポイント

カルシウムには骨を強くする力はありますが、背を伸ばす力はありません。牛乳もカルシウムを摂取するには最適な食品ですが、成長に必要なタンパク源としては不十分です。身長を伸ばすにはバランスよく栄養を摂ることが重要なのです。

身長を伸ばすホルモン分泌にも栄養は重要

からだの成長とは骨が大きくなることで、その主な内因性メカニズムとしては、ホルモンがあります。

骨が大きくなるのは、骨の骨端線(骨端線についてはここを参照してください)にある軟骨細胞が増えて骨になっていくからです。

その軟骨細胞を増やす役割をしているのがIGF‐I(インスリン様成長因子‐I:ソマトメジンCともいう)です。IGF‐Iは、成長ホルモンによって増減するので、成長ホルモン依存性の成長因子といわれています。

実際の例をあげると、成長ホルモン分泌不全性低身長症のこどもでは血中のIGF‐I値は低く、身長は低くなります。下垂体性巨人症という成長ホルモンの分泌が多い病気では血中のIGF‐Iは高くなり、身長も高くなります。

しかしこの成長に重要なIGF‐Iは成長ホルモンだけでなく、同時に栄養状態にも大きな影響を受けている成長因子として知られています。

成長ホルモンの分泌とIGF‐I値が乖離する例では次のような場合があります。

たとえば、肥満のこどもは一般的には成長ホルモンの分泌が悪いのにIGF‐Iが正常か高く、身長がよく伸びます。

神経性食欲不振症のこどもの場合は成長ホルモンの分泌は多いのですが、IGF‐Iの数値は低くなっていて、成長は少なくなってしまいます。

したがって、このような場合では、成長ホルモンよりも栄養状態を反映しているIGF‐Iのほうが成長に関与していると考えられます。

一般に低栄養のこどもはIGF‐Iが低いようです。低身長のこどもは多くが少食です。少食のこどもたちはIGF‐Iが平均より低いためこれが低身長に深く関係している可能性があります。

成人でも飢餓状態になってしまうとIGF‐Iの数値が低下し、その数値を回復するためにはタンパク質とカロリーの摂取量を増やすことが大切なことであると報告されています。したがって、特定の食品によって成長率が上がることはありません。「バランスよく食べる」ことが重要になります。

何らかの原因で栄養状態が悪くなったために成長率が下がった場合には、その原因を取り除けば、もとの身長の程度にまではキャッチアップできます。ただし前述のように、いくら栄養
状態を改善させても、そのこどもの適正な身長以上に背を伸ばすことはできません。

一般的には標準成長曲線にそって伸びているこどもは、栄養状態は正常なので、栄養面の改善だけで身長を伸ばすことは困難です。急に食欲が増えるものではありません。

しかし、環境が変わったりして前より食欲が増して食べるようになり、成長率が上がることはあります。その場合は、肥満度も並行して上がっていることが多いようです。

ポイント

身長を伸ばすうえで重要な軟骨細胞を増やす役割をしているのがIGF‐Iです。この物質は成長ホルモンと栄養の影響を受けます。低栄養のこどもは一般的にIGF‐Iが低いです。これが低身長に影響している可能性があるのです。

成長と睡眠に関する勘違い

こどもの成長に成長ホルモンが重要なことは、よく知られています。しかし、正確に成長ホルモンと成長の関係を調べようとすると、日常生活のなかで分泌されている生理的な成長ホルモンの量を24時間調べる必要があるので、研究は大変な作業になります。

イギリスに、低身長のこどもから経時的に24時間採血をして成長ホルモンを測定し、成長率と比較した研究があります。

成長ホルモンの分泌量が少ないと、成長率SDスコアが小さく、多いと成長率SDスコアが大きいことを示しました。すなわち、成長ホルモン分泌が少ないと伸びが悪く、多いと伸びが良いことが明らかにされたのです。

スウェーデンでは、低身長のこどもから正常身長、高身長のこどもまで、やはり24時間持続採血して成長ホルモンの分泌量を調べ、身長の程度と比較しました(下図参照)。

この図が示すように、前思春期のこどもでは、成長ホルモン分泌量が多いこどもの身長が高く、少ないこどもの身長が低いという関係がみられました。このことからも、生理的な成長ホルモンの分泌量が、身長と強い相関があることがわかります。

この日常生活のなかで分泌される成長ホルモンの約3分の2が睡眠中に分泌されているといわれています。成長ホルモンが背を伸ばすのは、主に睡眠中に分泌された成長ホルモンが肝臓や軟骨細胞でのIGF‐Iの分泌を促し、IGF‐Iが軟骨細胞自身の増殖を促し、また骨や筋肉を作っていくなどのタンパク同化作用を発揮することによるものです。

成長ホルモンの分泌は、前思春期では昼間の起きている時間には少なく、主に夜間睡眠時に
多くみられます(下図参照)。

しかし思春期になると、昼間にも分泌のピークがみられ、夜間睡眠時の成長ホルモン分泌も更に大きくなっています(下図参照)。

これは、思春期になると分泌される性ホルモンが影響していて、その結果として成長ホルモンの分泌量が増えると考えられています。成長ホルモンの分泌は、思春期の分泌パターンに特徴的ですが、時間をおいて分泌のピークを作る分泌パターン(脈動的分泌)を示します。

睡眠の時に分泌される成長ホルモンは、深い睡眠(深睡眠)に入ったときに多く分泌されることがわかっています。ヒトの睡眠は、深い眠り、浅い眠り、レム睡眠を繰り返し、深睡眠で成長ホルモンが分泌されるので、脈動的な分泌パターンになるのです。

また、最初の深い睡眠時の分泌量が大きい傾向があり、上の図でも睡眠後最初の分泌ピークが高くなっています。

こどもにおいて、睡眠時間の多い少ないによって、成長ホルモンの分泌量に差があるかどうかの研究はありませんが、睡眠時間が短いと、脈動的に分泌されている成長ホルモンのピークの数が少なくなり、全体として成長ホルモンの分泌量が少なくなる可能性はあります。

また乳 幼児で、アトピー性皮膚炎などでかゆみのために熟睡できず中途覚醒をくりかえしていたこどもの成長率が落ち、アトピーが改善して睡眠障害がなくなったら、キャッチアップしたという報告例もあります。

睡眠時間が異常に少ない生活、たとえば受験勉強で睡眠時間が約3時間しかなかった時期の成長率が低かったという話も聞いたことがあります。これは受験のストレスなども関与しているかもしれません。

しかし中学生以上で7時間以上寝ていて規則正しい普通の生活をしていれば、睡眠の量が成長率に影響を及ぼすことはないと思われます。

睡眠と成長に関しては、極端に短い睡眠時間が何日も続いたり、深く眠れないなどの睡眠障害があると成長率が落ちる可能性はありますが、長く寝たから成長率がよくなるというものでもないのです。

「成長ホルモンは、午後10時から午前2時に分泌されるという話ですが」という話をよく耳にしますが、成長ホルモンは特定の時刻に分泌されるものではありません。

前にも述べたように睡眠が深くなった深睡眠時に分泌されます。寝る時間を昼夜逆転させて成長ホルモンの分泌を調べた研究がありますが、昼に寝ても深睡眠時に成長ホルモンは分泌されていました。

したがって、10時に寝ようが12時に寝ようが、深く眠れば成長ホルモンは分泌されます。成長のためには、悪い環境を作らないことが大事で、それには規則正しい普通の生活をすることが重要です。

そういう意味では、午後10時に寝るというのは理に適っているので、そのようにいわれているのかもしれませんが、実際には寝る時間にかかわらず7時間以上ぐっすりと寝ることができれば、成長には問題ないと思われます。

ポイント

成長ホルモンの約3分の2が睡眠中に分泌されるといわれます。成長ホルモンの分泌量には一日の中で変動があり、前思春期では、昼間の起きている時間には少なく、夜間睡眠時に多くなります。睡眠時の成長ホルモンは、深い睡眠(深睡眠)に入ったときに分泌される。特定時刻に成長ホルモンが分泌されるという話は、医学的根拠がないのです。7時間以上ぐっすりと寝ることが大切なことになります。

成長と運動に関する勘違い

運動をすると、成長ホルモンが分泌されることは知られています。代謝も良くなります。しかし、運動をすると成長率が上がるわけではありません。

「バレーボールやバスケットボールをすると身長が伸びる」とよく耳にすることがあると思いますが、背の高い人が有利なので、そういう人が集まっているだけの話で、バレーボールやバスケットボールをしたから成長率が上がるわけではありません。

「体操をすると背が低くなってしまう」ということも聞いたことがあるかと思いますが、やはり背が低くて筋肉質の人(たぶん思春期が早い人)が、体操では自分のからだをコントロールするのに有利なため、そのような人が集まっているのだと思います。

「筋トレをすると、背が止まってしう」というのもよく聞きますが、そのような事実はありません。おそらく筋肉がよくつく時期は、男性ホルモンが活発に分泌される思春期の後半で、骨が大人の骨になる最終過程に当たるので、筋肉がつくと背が止まってしまうと思われるのでしょう。「女子の生理が始まると、背が止まる」というのと同じような意味合いだと思います。

女子の初経は思春期の終わりの時期ですので、初経年齢にもよりますが、初経から成人身長までの伸びは、平均4~6cmぐらいですので、「生理が来ると背が止まる」と思われているのです。

一般的には、前思春期には筋肉を鍛える運動よりも、敏捷性を鍛える運動のほうがよいとされています。逆に、思春期にならないと筋肉はなかなかつきません。

運動をするとお腹がすいて食欲もでます。しかし、激しい運動をしてくたびれ果てて食事ができないというのは逆効果です。

運動をしない子は、必ずしも背が低いわけではありません。また運動をたくさんしたから成長率が高くなるわけではありません。運動をした方がからだの代謝も良くなるので、成長しやすい環境をつくり、またバランスのとれた生活を送れるという一般的な意味で、推奨されているのです。

ポイント

運動すると成長ホルモンの分泌が盛んになりますが、だからといって運動すればするほど身長が伸びるわけではありません。バレーボールやバスケットボールなど特定のスポーツをすると身長が伸びるという説も、医学的な根拠に欠けるので正しくはありません。体操や筋トレをすると成長が止まるという説も同様に根拠がないものです。

あまり神経質にならないことが大事

現代のほとんどのこどもは、栄養・睡眠・運動が欠けていて成長に影響を及ぼしていることは、あまりないと思います。

これらは確かに成長の必要条件ではあります。しかし、栄養・睡眠・運動にあまり問題ない場合、普通の生活のリズムやバランスのとれた食事さえしていれば、特別なことに取り組む必要はありません。思い悩むことはないのです。

逆に神経質になりすぎると、そのことがストレスになって成長を阻害する原因になりかねません。

成長が標準成長曲線にそって伸びているときは、栄養・睡眠・運動などに問題はないのです。

あまり神経質にならないで、ゆったりかまえていたほうが親子ともよい精神状態が保たれて、いい子供の成長につながるはずです。

ポイント

現代のこどもは、栄養・睡眠・運動が大きく欠けていて低身長になっているケ-スはほとんどありません。しかし、もしも不十分なものがあれば今すぐに改善する必要があります。

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