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身長が伸びる時期と止まる時期


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それぞれの成長の時期の身長の変化

成長の時期によって身長が伸びるパターンは違っている

成長期といってもそれは3つの時期に分けることができます。乳幼児期、前思春期、思春期、以上の3つの時期です、そしてそれぞれの時期ごとに成長のパターンは違っているんです。

下の図を見てください。これは0~3歳の乳幼児期、3~8歳の前思春期、6~18歳の思春期の3つ時期の、身長のSDスコア(身長SDスコアについてはこちらをご覧ください)の変化についての調査結果をまとめたグラフです。

ここでは、前思春期を8歳までとしているのですが、実際は思春期が始まるまでを前思春期と考えてください。思春期が始まる年齢は個人差があり人によってバラバラです。ここではそれを8歳としているだけです。思春期が始まる前までが思春期前なので注意してくださいね。

ここで、変化の測り方を簡単に0~3歳の乳幼児期の時期を例に説明させてもらいます。

まず、生まれた時点の身長SDスコアと、3歳の時の身長SDスコアを計ります。

そして、この3年の間にSDスコアがどれくらい変化したのかを見ていきます。

たとえば、生まれた時のSDスコアがプラス1SDで三歳の時のSDスコアが0.5の場合は±0.5のグループに入ることになります。

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0~3歳の乳幼児期の身長SDスコアの変化

上の図をもう一度見てもらえますか?

グラフの真ん中に位置している±0.5SD未満のグループは、身長のSDスコアの変化がほとんどありません。

グラフからもわかるように0~3歳までの乳幼児期はSDスコアの変化が激しくて、身長のSDスコアが変わらない子供は全体の約3分の1しかいないんです。

乳幼児期は身長SDスコアが変化しやすく、全体の約1/3は身長が一気に大きくなり、反対に約1/3は小さくなるのです。

乳幼児期は3年間で1SD以上も小さくなる子の割合が多いことに驚かされます。約20%にも上ります。5人に1人の割合で生まれて3年間で1SD以上も身長SDスコアが低くなることがわかります。

このように、生まれた時点では平均より身長が高かった子供であっても、3歳になると平均以下の身長になってしまったなんてことはよくあることなんです。

0~3歳の乳幼児期は身長の変化が非常に大きい時期といえます。

下の図を見てください。身長のSDスコアがどのように変化していくのかを折れ線グラフにまとめたものです。生まれたときの身長SDスコアを起点にして5つのグループに分けて、SDスコアが年齢とともにどのように変化していくのかをまとめました。

グラフの線①は、生まれたときの身長が+1.5SD以上の身長が高いグループ、線②はプラス1SD(プラス0.5~1.5SD)のグループ、線③は平均的な(マイナス0.5~プラス0.5SD)身長のグループ、線④は平均よりやや小さいマイナス1SD(マイナス0.5~マイナス1.5SD)のグループ、線⑤は平均よりもかなり小さいマイナス1.5SD以上のグループです。

パッとグラフを見ただけでわかるのですが、生まれた時に大きかった子供は小さく、生まれた時に小さかった子供は大きくなっています。さらに各グループの差は3歳くらいまでに小さくなっていることもわかります。

しかし、グラフからもわかるように、年齢を重ねても大きく生まれた子供は大きく育っていて、小さく生まれた子は平均よりも小さく育つようです。

3~8歳の前思春期の身長SDスコアの変化

下の図を見てください。

3歳から8歳までの前思春期は、全体の約70%の子供の身長SDスコアの変化が±0.5SD未満です。この時期のSDスコアの変化はほとんどないことがわかります。

既にお話しましたが、思春期が始まるまでが前思春期なので、この図では3~8歳になっていますが人によって3~9歳や3~11歳と変わります。

この前思春期の時期は身長のSDスコアの変化はあまり見られない時期なんです。

つまり、ほとんどの子供は3歳の時点のSDスコアが幼稚園、小学校(思春期が始まるまで)続いていくということになります。

これをふまえると、思春期に入るまでは身長の伸びに大きな変化はないことがわかります。

つまり、この時期に背が急に伸びたり、身長の伸びが止まるということはほとんどありえないということになります。

もしもこの時期に、突然身長が伸びなくなってしまう場合は、何らかの病気の可能性があるので、専門の医療機関での受診を考えた方がいいかもしれません。

8~18歳の思春期の身長SDスコアの変化

思春期に突入すると、前思春期とは一変して再び身長SDスコアが大きく変わってくる子供の割合が増えます。

とはいっても、人生の中で一番変化の激しい乳幼児期ほどの変化はみられませんが、変化が大きくなるのは確かです。

そして、思春期に突入した時点での身長がどれくらいかによって最終的な身長を予測することも可能になります。

下の図を見てください。これは8~18歳までの思春期の身長のSDスコアの変化をグラフ化したものです。

思春期は人生のうちで乳幼児期の次に身長SDスコアが大きく変化する時期です。

思春期中にSDスコアがほとんど変化しない子供は全体の50%ほどいるのですが、残りの50%は0.5SD以上大きくなったり小さくなったりする子供が占めます。

グラフからもわかるように、思春期の身長SDスコアの変化の仕方は乳幼児期と似ています。大きい子は小さくなっていき、小さい子は大きくなります。

しかし、SDスコアの差は小さくなるのですが、その順位は思春期に入った時と変わりません。

つまり、思春期に入った時に大きい子供は思春期が終わった時点でも大きくて、思春期に入った時に小さい子供は思春期が終わった時点も小さいということになるんです。

とはいっても例外はあります。一気に伸びて周りをごぼう抜きにする子供もいますし、もとから大きい子供がさらに大きくなったり、小さい子の身長が伸び悩むといったケースも見られます。

ポイント

0~3歳の乳幼児期は身長のSDスコアの変化が激しい子供の割合がとても多いです。全体的に身長の低い子供も高い子供も平均値の方へと変化していきます。

3~6歳の前思春期は身長SDスコアの変化が小さい時期です。みんなが同じように変化していきます。もしも前思春期の時期に身長が止まったりした場合は病気の可能性があるので、専門医を受診しましょう。

思春期に入ると、乳幼児期ほどではありませんが、身長SDスコアの変化が激しくなります。全体的に乳幼児期のように平均値に近づいていきますが、身長が高いグループで思春期に入った子供は大きいまま、小さいグループで思春期に入った子供は小さいまま成長するようです。もちろん例外はあります。

思春期の始まる時期がとても重要

思春期に入ってから身長身長がグングン伸びる子供と、身長が伸び悩む子供では何が違うのでしょうか。

その答えは簡単で、思春期の始まりが早いか遅いかの違いなんです。

「え?思春期には身長がすごく伸びるから、思春期には早く入った方が身長が高くなるんじゃないの?」

何て風に思う方も少なくないと思います。

しかし、それは大きな間違いなんです。

実際には、思春期に早く入ってしまうと最終的な身長が低くなってしまうんです。

下のグラフを見てください。思春期の始まる時期と最終身長の関係を表したグラフです。

下のグラフの対象になったのは3~8歳の前思春期の時の身長のSDスコアの差が0.5未満の低身長に属する子供たちです。

その子供たちの思春期に入った年齢と、思春期中の身長の伸びをグラフ化したものです。

横軸は思春期に入った時の年齢を表しています。縦軸は成人身長と思春期に入った時点での身長、そして思春期に伸びた身長です。

一番下のグラフの◆の点は思春期の間に身長がどれくらい伸びたのかを表しています。

これだけを見ると、思春期に早く入ったほうが思春期中の身長の伸びが大きくて、1年思春期に入るのが遅れるとその伸びが約3.5cm少なくなっていることがわかります。

これだけをみると、

「やっぱり思春期に早く入った方が伸びるんじゃないの?」

と思うかもしれませんが、身長の伸びはそんな簡単なものではないのです。

次に真ん中のグラフを見てください。

●で表している通り、思春期に入っていない子供でも1年の間に身長は約4.9cmも伸びていんです。

その結果どうなるかというと、■の点で表していることからもわかるように、思春期が一年遅れるごとに身長は1.4cmも高くなるんです。

つまり、9歳で思春期に入った子供は11歳で思春期に入った子供よりも、思春期中の伸びは大きくなるんですが、最終的には約2.8cm小さくなってしまうんです。

その成長の仕方をグラフで表すと、下の図のようになります。

この思春期に入る時期と身長の伸びの関係は、特に-2SDよりも小さい低身長の子供に当てはまることが多く、低身長の子供は約60%の確立で思春期が遅れるというデータがあります。低身長であったとしても思春期に入る時期が遅かった子供は、思春期に早く入った低身長の子供と比べて最終身長が高くなる場合が多いのです。

しかし、思春期に入るのが遅かったといっても1年で約1~2cmぐらいのレベルです。平均して大体0.5SDぐらい増加するレベルです。

また反対に、低身長の子供が早く思春期に入ってしまうと、最終的な身長は平均よりもさらに低くなるケースが多いようです。

ポイント

思春期に入った時期がわかれば、最終身長をだいたい予測することができます。

稀に起きる思春期早発症には要注意!

既にお話した通り、思春期が始まる時期には人によってバラバラです。

子供が-2SD以下の低身長でないのであらば、思春期に入る時期が少しくらい早くても特別気にすることはないと思います。

しかし、思春期が周りと比べてとても早く始まってしまう「思春期早発症」という病気もあります。

思春期早発症になった子供は成人身長がかなり低くなってしまいます。

下の図を見てください。これは思春期早発症になった子供の成長曲線を表したグラフです。

グラフからもわかるように、この子供の場合は5歳くらいから急激に身長が伸び始め、平均身長を大きく上回るようになりました。

家族の人は大きくなることは良いことだと嬉しがっていたようですが、7歳になると陰毛が生えてきて異変に気がつき、病院に連れて行ったということです。

受診した時点ですでに精巣は15cmにまで成長していて、骨年齢も13歳にまでなっていて、性腺刺激ホルモン、男性ホルモンも高い数値になっていて、中枢性思春期早発症と診断されたのでした。

その原因を調べた結果、脳腫瘍が見つかったのでした。

脳腫瘍が原因で、下垂体からの性腺刺激ホルモンの分泌量が増してしまい、かなり早い時期に思春期に入ってしまったのでした。

女の子であれば、乳房が大きくなるので思春期に入ったことがスグわかります。しかし、男の子が思春期に入ったかどうかは外見からはほとんど判断できません。精巣が4cmになったら思春期に入ったと判断できるとはいわれていますが、一般的にも親や家族がその変化に気づくことはありません。

しかし、外見で判断できなくても、成長曲線を書くことを習慣にしていると、上の図からもわかるようにいつ思春期に入ったかどうかの判断ができるようになります。思春期に入ると明らかな身長と体重の増加が確認できるからです。

普通は成長曲線にしたがって伸びていくものですが、急に成長曲線から外れて成長しだしたら病気を疑わなければなりません。

特に男の子の思春期早発症の場合は上のグラフの男の子のように、脳腫瘍などが原因の場合が多いので、十分に注意してください。

思春期早期発症かどうかは、女の子は7歳6ヵ月未満、男の子は9歳未満で思春期が始まることで判断できます。

女の子の思春期早発症は特発性が多いので、上記の男の子のような脳腫瘍のケースは少ないのですが、かなり早く生理が始まったりします。すると、体の成長と心の成長のバランスがとれなくなってしまうなど、心理的、精神的な問題が起こってくる恐れがあります。

思春期早発症になると性ホルモン出始めます。性ホルモンには骨を大人の骨にしてしまう働きがあるため、身長の伸びが止まってしまい、最終的な身長もかなり低くなってしまいます。

思春期早発症ではなくても、現時点で-2SD以下の低身長の子供は注意が必要です。

男子の低身長の子供の場合は9歳から11歳6ヵ月、女子の低身長の子供の場合は7歳6ヵ月から10歳の間に思春期に入ってしまうと、最終的な身長はかなり低くなってしまうことがわかっているからです。

思春期に早く入るのを防ぐには睡眠をしっかりとる必要があります。

なぜなら「メラトニン」というホルモンが性ホルモンの分泌に深く関係していることがわかっているからです。

メラトニンというホルモンは睡眠によって分泌され、性ホルモンの分泌を抑える働きがあることがわかっています。つまり、性ホルモンの分泌をおさえて思春期の到来を遅らせるカギは睡眠時間の長さといってもいいと思います。

理想的な睡眠時間は個人差はあると思うのですが、幼稚園児までは最低10時間以上、小学校低学年であれば最低9時間、小学校高学年または中学生であれば8時間半以上はとるべきであるといわれています。

睡眠時間と身長の関係で注目すべきは、日本人と欧米人の身長の差です。

思春期前までは日本人の方が平均身長が高いのに、最終身長は欧米人の方がはるかに高くなるのです。これは、欧米人の方が思春期に入る時期が遅いからだと言われています。

そして、日本人と欧米人の思春期到来の時期の差が睡眠時間の違いによるものだとも言われているのです。

8歳から10歳までの子供の平均的な睡眠時間を比較してみると、「10時間以上眠る」子供の割合は欧米の子供達が50%以上であるのに対して、日本人の子供達は5%と圧倒的に日本の子供達の睡眠時間が短いのです。

睡眠時間が短いとメラトニンの分泌不足により思春期が早く到来してしまうかもしれません。思春期を遅らせるためにも子供は早く寝かせて十分な睡眠を取らせるようにしましょう。

ポイント

かなり早い時期に思春期に入ってしまう「思春期早発症」という病気にかかる子供がごくまれにいます。思春期早発症になってしまうと、最終身長がかなり低くなりますし、他の重い病気が原因になっている可能性があるので専門医へ受診されることをオススメします。

思春期を遅らせるポイントとなるのは十分な睡眠時間をとれているかどうかです。夜更かしなどはさせずに子供は早く寝かせるようにしましょう。

最終身長が低くなるかならないかの分かれ目

思春期早発症はとても稀なケースではあるのですが、思春期に入る時期の違いによって最終身長は大きく違ってきます。

6歳から17歳までの男子約6000名、女子も約6000名の成長を記録し、その中で6歳の時に低身長だと診断された子供のその後の成長を記録していった調査結果があります。

6歳の時点で身長のSDスコアがマイナス2SD以下だった子供は男子が約100名(約1.6%)、女子130名(約2%)いました。この子供たちの成長を記録していくと興味深い結果が出たのです。

6歳時点で低身長と診断された小児のほとんどは、思春期が訪れると身長が一気に伸び始め、17歳になると男子で低身長の子供の約50%、女子では約53%の子供が平均的な身長のグループに入ってきたのです。

つまり、6歳の時に低身長だとしても、半分以上の子供は思春期に入ると平均的な身長になるのです。

ですが、平均的な身長になったとはいっても、平均身長以上になった子は一人もいなかったのです。

中には身長SDスコアが2SDくらい伸びた子供もいたのですが、全体を平均すると0.4SDくらいの挽回しかできないようでした。

この調査はそれだけでは終わりませんでした。

この調査に加えて、最終身長が平均的なグループになった子供たちと、低身長グループのままだった子供たちの何が違ったのかを調べたんです。

すると、平均グループになった子供たちは思春期開始時が遅くて、思春期が始まった時の身長が他と比べて高いことがわかったんです。特に17歳の時の身長と深い関係があったのは、思春期が始まった時の身長の高さでした。

つまり、低身長の子供が平均的な最終身長になるためには、思春期に入った時点での身長がどれだけあるかがとても重要になってくるのです。

男子は135㎝、女子は132.5㎝が分かれ目

低身長の子供たちを治療することなく最終身長まで追って経過観察した調査結果があります。

下の図は男子の思春期に入った時の身長と最終身長の関係を表した図なのですが、これを見ると思春期が始まった時点の身長と最終身長には深い関係があることがわかります。

思春期に入った時の身長が低いと最終身長も低くなり、思春期に入った時の身長が高ければ最終身長も高くなることが見てわかります。

男子のボーダーラインは135cmのようです。

135cm未満で思春期に入った男子の中の15%ほどしか160cmに到達しなかったのに対して、135cm以上で思春期に入った子供の場合は90%近くがが160cm以上まで成長することができたのです。

このことからもわかるように、男子は思春期に入った時点で135cm以上の身長があれば、160cm以上になれる確率が高いんです。

160cmは平均身長よりは低いのですが、それほど背が低いという印象は持たれなくなるので、160cmあるかないかは大きな差となりますね。思春期までに何とか135cm以上にはなっておきたいものです。

次は女子を見ていきたいと思います。

下の図は女子の思春期に入った時の身長と最終身長の関係を表したグラフです。

男児と同じ様な関係のグラフになっていることがわかるでしょうか。

女子のボーダーラインは132.5cmのようです。

132.5cm未満で思春期に入った女子は約17%しか150cmに到達しません。それに対して、思春期に入った時の身長が132.5cm以上あった女子は約90%が150cm以上にまで成長します。

女子は思春期に入るまでに132.5cm以上の身長を目指しましょう。

ポイント

たとえ思春期の前まで身長が低くても、思春期に入ると半分くらいは平均身長のグループに入ります。しかし、平均身長以上になれる子供はほとんどいません。

思春期が始まった時点での身長が最終身長に大きく影響します。思春期が始まるまでに男子は135cm、女子は132.5cmを目指しましょう。

家族性低身長について

下のグラフの■は家族性低身長と低出生体重・低出生身長を示しています。つまり、お父さんの身長が160cm以下、またはお母さんの身長が150cm以下のケース、そして、出生体重が2500g以下、または出生身長が45cm以下で生まれた子供のことを指します。

●で示してあるのは特発性低身長です。

両親共に低身長ではなく、生まれた時の身長や体重にも何の問題なく、低身長になる原因がわからない子供のことを指します。

図の■が左下に集中しているのを見てもわかるように、家族性低身長や低出生体重・低出生身長の子供は、身長が低いままで思春期に突入して、最終身長も低くなるケースが多く見られます。

思春期の身長の伸びは、平均すると、男の子は約25~30cmくらい伸びて、女の子は約22~25cmくらい伸びます。

しかし、低身長の子供の場合は標準的な子供と比べて約5cmほど身長の伸びが悪いことがわかっています。

ポイント

家族性低身長や低出生体重・低出生身長の子供は、低身長のまま思春期に入りやすい傾向があるようです。

思春期中の身長の伸びも標準よりも5cmほど低くなるケースが多いので、最終身長も低くなる場合が多くなります。

骨年齢で成長を測る

身長がまだ伸びるかどうかを判断するために大切になってくるのが骨年齢です。特に思春期が終わりに近づくとレントゲン写真を見ればおおよその判断ができるようになります。

骨年齢とは、骨の成長の度合いを示すためのもので、普通は左手と手首のレントゲン写真を使って調べます(下図のような感じです)。

身長が伸びるということは、骨が伸びるということです。全身の骨を調べるのが一番なのですが、相当な手間がかかるので左手と手首のレントゲンを使います。

子供の骨のレントゲン写真を見たみると、下の図の「こどもの骨」にあるように、長い骨の端に小さな骨があることがわかります。

これは小さい骨がそこに散在しているわけではありません。子供の骨の両端には成長板、または骨端線と呼ばれる軟骨組織があり、この軟骨組織はカルシウムが沈着して完全な骨にはなっていないので、レントゲンで撮影しても写らないのです。

そのため、まるで大きな骨の先に小さな骨があるようにレントゲンには写るんです。

骨が成長する時には、軟骨組織にある軟骨が成長ホルモンなどの働きで増え、それにカルシウムやマグネシウムが吸着し少しづつ伸びていきます。

骨年齢が高くなるに従って軟骨組織が少なくなっていきます。最終的には上の図のように骨端線が完全になくなってしまいます。

上の図のような「大人の骨」になるともう骨は伸びなくなります。身長が伸びること=骨が伸びることなので、全身の骨の骨端線がなくなり大人の骨になると、最終身長に到達することになります。

日本人の骨年齢は男子は16.1歳、女子は14.7歳で大人の骨となるとされています。

そして、男子の場合は骨年齢が14.5歳、女子の場合は13歳を過ぎると、身長はほとんど伸びなくなるのです。

声変わりと初経が思春期の終わるサイン

すでにお話しましたが、思春期の開始は男子の場合は精巣の大きさが4mlになったときで、女子の場合は乳房にふくらみが出始めた時です。

女子の場合は見た目で判断しやすいのですが、男子の思春期の場合は外見上の変化がありません。そのため男の子がいつ思春期に入ったのかがわかっている親御さんはほとんどいないはずです。

陰毛が生えてくるのも思春期のサインなのですが、陰毛が生えてくるのは思春期の後半になってからなんです。

さらに、男の子の声変わりや女の子の初経も思春期のサインと思われていますが、声変わりや初経は思春期の終わりを告げるものなのです。

ポイント

身長がまだ伸びるかどうかの判断は骨の端に存在する骨端線と呼ばれる軟骨組織の存在がカギになります。

骨端線がなくなれば、大人の骨となるため、それ以上は身長は伸びなくなります。

男子で骨年齢が14.5歳、女子で13歳を過ぎると、大人の骨になると言われているため、それを過ぎると身長はほとんど伸びなくなります。

成長曲線で思春期の開始時期がわかる

男の子の場合は、見た目で思春期に入ったかどうかの判断は難しいのですが、学校で1学期ごとに行われている健康診断で測定している身長を、自宅で成長曲線のグラフに記しておくいと、思春期にいつ入ったのかがわかるようになります。

男の子の場合は、成長曲線の角度が変わった時が思春期が始まったことを表します。下の図を参照にすると11歳から12歳ぐらいの時に成長曲線の角度が変わっているのがわかりますよね。

上のグラフの男の子は、出まれた時の体重が2980g、身長が49.0cmとごく普通の赤ちゃんでした。

父親は168cm、母親は156cmでした。

しかし乳児期にミルクをあまり飲まず、さらに離乳食もあまり食べなかったと言います。

そこで生まれてからの身長をもとに成長曲線を書いてみると、3歳の時点でマイナス1SDと小柄なグループに入っていました。

それからもずっと少食は続き、成長率も平均より低く成長して行ったのですが、なんとか身長がマイナス2SD以下にはなることなく年を重ねていきました。

この男の子の成長曲線を書いてみると、11歳~12歳の間で成長率が急激に上向きになっているのがわかると思います。

つまりその時に思春期が開始したのですが、その時の身長は136cmだったようです。

その後も成長率は高いまま2年ほど経過したのですが、「9.1cm/年」伸びた年から成長率が下降しはじめ、161cmで身長の伸びがストップし最終身長に達したのでした。

ちなみに、この男の子の思春期の伸びはトータルで25cmでした。

女子の場合は、成長曲線の角度が変わった時点から、大体半年くらい経つと、思春期が始まり、乳房がふくらんでくるのがわかります。

下の図でいうと、10歳の手前で角度が変わっているのがわかると思います。

このグラフの女の子は、生まれた時の体重が2560gで、身長が46cmと平均よりも小さめに生まれました。

母親の身長が147cmだったために、家族性低身長にあてはまるケースでした。

ミルクも離乳食の食べ具合も悪くはなかったといいますが、身長は伸びずに、3歳の時にはマイナス2SD以下の低身長でした。

乳房は10歳で大きくなりはじめたそうで、グラフからもわかるように、それまでよりも成長率もアップしました。

思春期の開始年齢は9歳10ヵ月と推測できるので、思春期の開始時期は標準的と言えるのですが、その時の身長が約120cmでした。このことから、最終身長も低くなることが予想できました。

この女の子の場合は、思春期の後半の12歳1ヵ月で初経をむかえたそうです。その時の身長は140cmだったということでした。

この女の子の場合も思春期に入ってから、標準通り約23cmも身長が伸びたのですが、思春期に入った時の身長が120cmだったこともあり、最終身長は143cmで低身長となりました。

ポイント

男の子の場合は外見から思春期に入ったのかの判断が非常に難しいのですが、健康診断などで知らされる身長をもとに成長曲線をつける習慣をつけていると、思春期の開始を簡単に判断できるようになります。

思春期は成長が終わる時期

思春期に突入すると、身長は急激に伸び始めます(スパートとも言います)。

この急激な身長の伸びは思春期に分泌される性ホルモンの働きによるものなのです。

性ホルモンは身長を急激に伸ばす働きをすると同時に、骨を大人の骨にする働きもあります。

つまり、性ホルモンは身長を伸ばすホルモンでもあり、成長を止めるホルモンでもあるんです。

思春期がはじまると急激な伸びがはじまり、徐々に成長が止まり、最終身長となるのです。

思春期は身長を伸ばすための最後のチャンスなのです。

思春期をすぎてしまえば、何をしても(手術は別ですが)身長を伸ばすことはできなくなってしまいます。

低身長児のホルモン療法

ここまで身長が伸びる時期と止まる時期についてお話してきましたが、思春期の始まる時期とその時の身長が最終身長に大きく影響することがわかったのではないでしょうか。

低身長のこどもには、低身長を改善するための治療法もあるのですが、身長を伸ばすための医学的な治療法については「低身長専門外来での治療について」をご覧ください。

低身長の子供に行う治療の内容は、ひとつは思春期が始まる前の身長を高くすること、もうひとつは、思春期の伸びをより大きくすることです。

現在ではそれだけではなく、思春期になってからの性ホルモンの分泌をおさえることによって、大人の骨になることをおさえる治療法もあります。

これは、新しい試みなのですが、着実に実績をあげつつあるといいます。

ひとつ注意したいことは、医学的な治療の効果があるのは、先にお話しした骨の軟骨組織、骨端線がある場合のみです。

すでに骨が大人の骨になっているのであれば、ホルモン治療は全く効果がないのです。どんなに頑張ろうとも身長を伸ばすには締め切りがあることを忘れないようにしてください。

もしもお子さんの身長の伸びが気になる場合は、成長曲線をつけることを習慣化してください。

成長曲線をつけていれば、いつ、どのタイミングで思春期に入ったのかを把握することができます。

医学的な低身長の治療法はどんどんその効果が実証されているようなので、お子さんの身長の伸びが心配な時には専門の医療機関を受診されることをオススメします。

ポイント

思春期にはいると、性ホルモンの分泌により、身長は急速な上昇(スパート)を見せます。

しかし、性ホルモンは、身長を急激に伸ばす働きがあると同時に、骨を大人の骨にする働きもあります。そのため徐々に身長の伸びがなくなり、最終的に身長が伸びなくなるのです。

成長曲線をつけることを習慣化しましょう。そうすれば、いつ、どのタイミングで思春期に入ったのかを簡単に把握できるようになります。

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